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巨釜・半造

(おおがま・はんぞう)

巨釜・半造は、宮城県気仙沼市の唐桑半島東側に広がる、自然が生み出した壮大な海岸景勝地です。ここは約2億年以上前に形成された石灰岩層が、長い年月をかけて波や風に削られ、複雑で美しい地形を形づくりました。
1959年8月31日には宮城県指定名勝に登録され、その景観は多くの観光客を魅了しています。

位置と概要

このエリアは、気仙沼湾の東に突き出た唐桑半島の東海岸に位置し、北は巨釜、南は半造と呼ばれています。北緯38度53分48秒・東経141度39分51秒付近が巨釜、北緯38度53分34.5秒・東経141度40分01.5秒付近が半造にあたります。
周囲はリアス式海岸特有の入り組んだ海岸線で、海水の透明度が高く、太平洋の雄大な景観が一望できます。

自然と季節の魅力

春から夏にかけては岩場に可憐な野草が咲き誇り、特に初夏のニッコウキスゲや秋のハマギクは訪れる人々の目を楽しませます。
自然の造形美と四季の花々が織りなす風景は、写真愛好家にも人気のスポットです。

巨釜エリア

名前の由来

「巨釜」という名は、海岸から沖合を望むと、まるで大きな釜の中で海水が煮え立っているように見えることに由来します。また、沖にある八幡岩が釜の蓋のように見えることから、この名前が付けられたとも言われています。

折石(おれいし)

巨釜を代表する景観のひとつが折石です。海面から直立するこの奇岩は、高さ約16メートル、幅3メートルの壮観な石柱で、気仙沼のシンボル的存在です。
1896年(明治29年)の明治三陸大津波で先端2メートルが折れたことから、この名が付けられました。それ以前は「天柱岩」や「ろうそく岩」と呼ばれていた記録も残っています。

半造エリア

地名の由来

「半造」という名前には諸説があります。
一説では、この地域が海産物に恵まれ、商売が繁盛(はんじょう)したことから「繁昌」と呼ばれ、それがなまって「半造」になったといわれています。
もう一つの説では、釜や蓋が半分だけ完成したような形をしているため、この名が付けられたとも伝えられます。

見どころ

半造は多数の海食洞が点在し、自然の彫刻とも言える奇岩が並びます。代表的なものにトド岩東風穴(こちあな)トンネル岩狙板岩(まないたいわ)などがあります。
特に海食洞の内部に響く波音や、洞窟越しに見える青い海は訪れる価値があります。

地質と成り立ち

石灰岩から大理石へ

巨釜・半造周辺の岩石は、約2億6,000万年前(古生代前期ペルム紀)に形成された石灰岩が起源です。その後、白亜紀の花崗岩が接触変成作用を及ぼし、結晶質石灰岩(大理石)へと変化しました。
かつては海中でウミユリなどの生物が繁殖していましたが、結晶化が進んだため化石の痕跡はほとんど残っていません。

多様な鉱物と特徴

この地域の岩石には、斜方晶系の霰石(アラゴナイト)、三方晶系の苦灰石(ドロマイト)菱苦土石(マグネサイト)などが含まれます。
巨釜や半造に見られる板状節理や折石・八幡岩の平らな面は、石灰堆積層と長年の圧力によって自然に形作られたものです。

アクセス情報

車を利用する場合は、三陸自動車道「唐桑半島IC」から約20分。
公共交通機関では、JR気仙沼線BRT「気仙沼駅」からバスで唐桑方面へ向かうルートが便利です。

観光のポイント

巨釜・半造は、自然の力が生み出したダイナミックな海岸美を間近で体感できる貴重なスポットです。
壮大な景観はもちろん、季節ごとの花々、そして大海原と奇岩のコントラストは訪れる人を魅了します。
歴史や地質にも興味を持って歩けば、より深くこの地を楽しむことができるでしょう。

Information

名称
巨釜・半造
(おおがま・はんぞう)

気仙沼・石巻

宮城県