”フカヒレ”の”フカ”とは、関西地方のサメ類の呼び名で、関東周辺では特に大型のサメを指す。そのサメの尾びれや背びれ部分を乾燥させたものをフカヒレといい、中華料理の食材に用いられている。
日本は世界有数のフカヒレ生産国として知られており、国内でサメの水揚げが最も多いのが、宮城県北東部に位置する気仙沼港だ。気仙沼のフカヒレは、加工技術も優れていることから高級品として扱われており、国内での取引の90%を占めている。
気仙沼市は、日本一のサメの水揚げ量を誇る町であり、古くからフカヒレの生産が盛んです。そのフカヒレは高級食材として評価される一級品で、気仙沼の風土と高い加工技術が生んだものです。
気仙沼の名物である「気仙沼ふかひれ丼」は特に人気があります。この丼は特大のフカヒレがたっぷりと乗っており、気仙沼の寿司店で味わうことができます。気仙沼は「サメのまち」として知られており、中華料理のイメージが強いフカヒレですが、和洋中の料理でも楽しめる点が魅力です。
寿司店「気仙沼 新富寿し」は、「気仙沼ふかひれ丼」と「ふかひれ姿握り」を楽しむことができます。気仙沼ふかひれ丼は、気仙沼寿司組合加盟店14軒で味わえるご当地丼で、2014年に震災後の復活を果たしました。
都内では1万円以上するサイズのフカヒレが、気仙沼では5,000円台で提供されるとのことで、本場ならではのお値打ち品として期待されています。
気仙沼の風土と寿司職人の心意気が融合したフカヒレ料理が楽しめるお店があります。そこでは、大きなフカヒレの姿煮と金糸状にほぐしたフカヒレをのせた「気仙沼ふかひれ丼」が特に人気です。さまざまなトッピングが施され、真和さん自慢の一品となっています。
この丼には、セットで付いてくる汁物にもこだわりがあります。サメ肉とサメの軟骨を使った肉団子が入っており、「サメのすべてを有効活用する」という思いが込められています。
フカヒレの姿煮はシャキッとした歯ごたえがあり、肉厚のフカヒレを堪能できます。カニあんをかけて味の変化を楽しむこともおすすめです。
また、「ふかひれ姿握り」も一押しの一品です。フカヒレの風味を生かすために味付けは薄めにし、とろけるような食感に仕上げます。シャリを握り、ユズ塩で香り付けされたこの握り寿司は、なめらかな口当たりと爽やかな味わいが特徴です。
気仙沼はフカヒレの生産に適した気候と高い加工技術が揃っています。
ふかひれ(鱶鰭)は、主に大型のサメ(鱶)のひれ(鰭)(尾びれや背びれ部分)を乾燥させた中華料理の食材で、中国語では「魚翅」と呼ばれています。
ふかひれは中国で明の時代から食べられ始め、特に潮州料理などの中華料理で高級食材として利用されています。ほぐれたふかひれはスープや点心の具として使用される他、ヒレの形をそのまま煮込んだ料理もあります。
ジンベエザメやウバザメのふかひれが最も高級品とされていますが、一般的にはヨシキリザメのふかひれがよく使われます。
日本は世界有数のふかひれ生産国であり、江戸時代には中国(明・清)へナマコやアワビと一緒に輸出されていました。ただし、近年ではシンガポールやインドネシアの生産量が日本を上回っています。
日本では気仙沼が最も多くのふかひれを水揚げする地域ですが、ほとんどはマグロ延縄漁業の際に釣れたサメから得られたものです。気仙沼産のふかひれは高い加工技術により有名で、高級品として評価されています。
一方、ふかひれ漁においては「シャークフィニング」という漁法が動物愛護の観点から広く問題視されています。この方法では、サメからヒレだけを切り取って海に戻すため、サメが生きたまま放り出されて泳ぐことができず、死んでしまうことがしばしば見られます。
また、フカヒレの国際取引のために捕獲されるサメの種類の70%以上が絶滅の危機に瀕しているとされています。
乾燥品の製法
乾燥ふかひれの製法は、まず生のふかひれを茹でるか鉄板で加熱し、表面の鮫肌をブラシでこすり取り除きます。その後、油脂分を落とし、天日干しにして乾燥品が完成します。一部の加工品では皮付きのまま乾燥させる方法もあります。
調理法
調理する際は、乾燥ふかひれをまずネギやショウガと一緒に茹で、その後蒸して皮を剥き、水にさらすという下処理を行います。このようにすることで、臭みが消え、軟骨魚特有の柔らかなゼラチン質の食感を楽しむことができる珍味となります。ふかひれ自体にはほとんど味がないので、そのままの状態ではあまり楽しめません。
種類
ふかひれには形状と大きさによって価格が大きく異なります。味には形状による違いはないですが、一般的には元のヒレの形を保ったふかひれが高級品とされています。これは、排翅(扇翅)の入手が難しいためと、形状が保たれている排翅の方が加工済みの魚翅より品質を見極めやすいためです。
種類は以下のように分かれます。