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御釜神社

(おかま じんじゃ)

製塩の歴史を伝える神秘の神社

御釜神社は、宮城県塩竈市本町にある由緒ある神社で、鹽竈神社の境外末社として特別な位置づけを持っています。境内には、神秘的な力を宿すといわれる「御釜(おかま)」と呼ばれる4口の鉄製の釜が安置され、日本三奇のひとつとして知られています。また、毎年7月には、宮城県の無形文化財に指定されている「藻塩焼神事」が執り行われ、古代から伝わる製塩の風習を現代に伝えています。

塩竈の地名の由来と神秘の竈

「塩竈」という地名は、この御釜神社の竈(かま)に由来しています。御釜は神聖な釜として古くから崇敬を集め、「水が溢れず干上がらない」「変事の前兆に色が変わる」といった不思議な現象で知られています。このため、御釜は「日本三奇」のひとつに数えられ、全国から参拝者や歴史愛好家が訪れています。

御釜神社の歴史と伝説

創建の由来と鹽土老翁神(しおつちおじのかみ)

御釜神社の祭神は、鹽土老翁神(しおつちおじのかみ)。古代に人々へ製塩の技術を伝授したとされる神様で、製塩文化の発展に深く関わる存在です。創建時期は不明ですが、御釜がこの地に安置されたことが神社の起源と考えられています。

鹽竈神社との関係

御釜神社は、かつて鹽竈神社の本殿があった場所ともいわれています。仙台藩祖・伊達政宗が慶長年間に鹽竈神社を現在の一森山に遷座する以前は、この地が信仰の中心地だったという説があります。ただし、史料によって見解が異なるため、詳細は諸説あります。

松尾芭蕉も訪れた聖地

『奥の細道』の旅で有名な松尾芭蕉も、この御釜神社を訪れたと記録されています。随行した河合曾良の日記には、元禄2年(1689年)に「塩竈のかま」を見物したことが記されており、当時から御釜が名所として広く知られていたことがうかがえます。

御釜の神秘と伝承

神竈(しんかま)の特徴

御釜神社の最大の見どころは、境内に奉安されている4口の神竈です。これらの竈は、神代の時代に鹽土老翁神が海水を煮て塩を作る方法を教えた際に使ったものと伝えられています。釜の水は、干ばつの時でも枯れることがなく、過去には色が変化する現象が何度も記録されています。

水の変色と占い

江戸時代には、この釜の水の変色をもって吉凶を占う「ト占(とせん)」が行われていました。記録によると、伊達政宗の死去や凶事の前にも釜の水が変色したといわれ、その不思議な現象は人々の信仰をより深める要因となりました。

かつては7口あった竈

伝承によれば、御釜はもともと7口存在していたとされますが、そのうち3口は盗まれたため、現在は4口が残されています。盗まれた3口は、野田、松島湾、加美郡四釜にそれぞれ埋められたと伝えられ、地名にもその名残が見られます。

御釜神社の境内と見どころ

神竈奉置所

御釜は、境内の中央部にある透塀の中で大切に保管されています。厳かな雰囲気に包まれたこの場所では、古代から受け継がれてきた製塩文化の神秘に触れることができます。

牛石と藤鞭伝説

境内には、もうひとつの見どころとして「牛石」があります。これは、製塩の際に塩を運んだ牛が石に変じたという伝説をもつ霊石で、柵に囲まれた池の中に鎮座しています。また、神が使ったとされる藤鞭が根付いて白藤となったと伝えられるエピソードも残っており、境内の神秘性を高めています。

伝統行事「藻塩焼神事」

御釜神社では、毎年7月4日から6日にかけて「藻塩焼神事」が行われます。この神事は、古代の製塩工程を現代に伝える貴重な行事で、宮城県無形民俗文化財に指定されています。

藻塩焼神事の流れ

この藻塩で作られた塩は、鹽竈神社例祭で神前に供えられます。古代から続く製塩の知恵と信仰を感じられる貴重な機会です。

御釜神社のアクセスと拝観情報

所在地:宮城県塩竈市本町6-1(鹽竈神社表参道付近)
アクセス:JR仙石線「本塩釜駅」から徒歩約10分
拝観料:無料(藻塩焼神事見学は一部制限あり)
所要時間:参拝のみ約15分、境内散策や説明含め30分程度

まとめ

御釜神社は、日本の製塩文化のルーツを今に伝える特別な神社です。神秘的な御釜、古代から続く藻塩焼神事、そして歴史と伝説が息づく境内は、訪れる人々に深い感動を与えます。塩竈を訪れる際には、ぜひ立ち寄り、その歴史と神秘を感じてください。

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名称
御釜神社
(おかま じんじゃ)

松島・塩釜

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