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女川駅・女川温泉ゆぽっぽ

(おながわえき おながわ おんせん)

ウミネコが羽ばたく女川の新しいシンボル

女川駅・女川温泉ゆぽっぽは、JR石巻線の終着駅である女川駅と、町営の温泉施設「女川温泉ゆぽっぽ」が一体となった、女川町の新しいまちのシンボルです。駅から海へ向かって広がる市街地や商業エリアと調和するように整備され、鉄道を利用する人だけでなく、観光客や地域の人々が集う交流拠点として親しまれています。

建物を設計したのは、世界的に活躍する建築家の坂茂(ばん しげる)氏です。最大の特徴は、町の鳥であるウミネコが大きく羽ばたく姿をイメージした、真っ白で優雅な曲線を描く大屋根。海と山に囲まれた女川の風景にもよく似合い、震災からの復興を象徴する建築としても印象的な存在となっています。

震災からの復興を象徴する駅舎

2011年の東日本大震災では、女川駅周辺も津波によって大きな被害を受け、駅舎や車両などが流失しました。その後、女川町では安全性に配慮した新しい市街地の整備が進められ、2015年3月、石巻線の全線復旧に合わせて現在の女川駅が開業しました。

新しい駅は、震災前の駅よりも内陸側へ移され、地盤をかさ上げした土地に建設されています。高台へ向かう動線や周辺のまちづくりとも一体的に整備されており、単なる鉄道駅ではなく、復興後の女川を象徴する施設としての役割を担っています。

駅と温泉が一体になった特徴的な建物

鉄骨造3階建てで、一部に木造の屋根を採用した建物は、延床面積約899.51平方メートル、高さ約14.14メートル。1階に駅施設や物産コーナーなどがあり、2階には女川温泉ゆぽっぽの浴場と休憩施設、3階には展望フロアが設けられています。

駅舎と温泉施設を一つの建物にまとめることで、鉄道で訪れた人がそのまま温泉や観光を楽しめる便利な施設となっています。女川観光のスタート地点としても、散策を終えた後の休憩場所としても利用しやすいのが魅力です。

女川の町と海を望む展望デッキ

女川駅の3階にある展望デッキからは、駅前に整備された新しい市街地をはじめ、女川湾の青い海や周囲の山々を眺めることができます。駅を出てから海へ向かってまっすぐ延びる「レンガみち」や、商業施設が並ぶシーパルピア女川なども一望でき、復興によって生まれ変わった現在の女川のまち並みを感じられる場所です。

特に冬の朝は、駅から海へ延びるレンガみちの方向から太陽が昇る美しい光景を見ることができます。元旦には、駅前から海へ続く景観と初日の出が重なるように計画されたまちのデザインも楽しめ、女川ならではの新年の風景として知られています。

「海の見える終着駅」として楽しむ

女川駅はJR石巻線の終着駅です。女川湾の奥に位置する駅からは海との距離が近く、列車を降りた瞬間から港町らしい雰囲気を感じられます。震災前から「東北の駅百選」に選定されており、現在も海の見える終着駅として、女川観光の玄関口になっています。

駅周辺にはシーパルピア女川や地元市場ハマテラス、道の駅おながわなどが集まり、駅から海まで歩きながら食事や買い物を楽しめます。駅そのものを見るだけでなく、周辺のまち歩きと組み合わせて訪れると、女川の魅力をより身近に感じられるでしょう。

女川温泉ゆぽっぽで旅の疲れを癒す

女川温泉ゆぽっぽは、女川駅の2階に設けられた温泉温浴施設です。震災前には駅に隣接する別施設として営業していましたが、震災後の駅移設と復興まちづくりに合わせて、現在の駅舎と一体的に整備されました。震災を乗り越えた源泉を利用しており、女川の復興とともに歩んできた温泉としても知られています。

アルカリ性のやわらかな「美人の湯」

ゆぽっぽの温泉は、pH8.8の低張性アルカリ性温泉で、泉質はカルシウム・ナトリウム-塩化物泉です。アルカリ性の温泉は、一般に肌の古い角質や汚れを落としやすい特徴があることから、「美人の湯」と呼ばれることがあります。

また、塩化物泉は入浴後も体が温まりやすい泉質として知られています。観光やまち歩きで疲れた体をゆっくり温めながら、心身ともにリラックスできるのが温泉の大きな魅力です。入浴後は肌が乾燥しやすくなることもあるため、必要に応じて保湿などのケアをするとよいでしょう。

震災を乗り越えた源泉を楽しむ

女川温泉ゆぽっぽでは、震災前から女川の人々に親しまれてきた源泉の湯を楽しむことができます。地域の歴史を感じながら温泉に浸かることで、観光だけでは分からない女川の歩みに触れられるのも、ゆぽっぽならではの魅力です。

千住博氏らによる美しいタイルアート

女川駅・ゆぽっぽでは、建築だけでなくアートも大きな見どころとなっています。内壁や浴場には、日本画家の千住博氏による作品をもとにしたタイルアートが設置され、白を基調とした駅舎の空間に彩りを添えています。

浴場を彩る「霊峰富士」と鹿のタイル画

浴場の壁面には、千住博氏が描いた「霊峰富士」や、水辺でたたずむ鹿を題材としたタイル画が描かれています。温泉に浸かりながら芸術作品を眺められるため、一般的な温浴施設とはひと味違った、落ち着いた時間を過ごせます。

町民も参加した「家族樹」

休憩所には、千住博氏とデザイナーの水戸岡鋭治氏がアートディレクションを務めた「家族樹」が設置されています。この作品には、一般公募によって集められた917点の花の絵が取り入れられており、町民とアーティストが一緒につくり上げた作品として、女川の復興への思いを感じさせます。

一人ひとりの花の絵が大きなアート作品としてまとまり、さまざまな人の思いが一つの場所に集まっていることも、この作品の魅力です。温泉の利用後には、海や山を眺めながら「家族樹」を鑑賞し、ゆっくり休憩するのもおすすめです。

駅前で気軽に楽しめる無料の足湯

女川駅の屋外には、誰でも利用できる無料の足湯が設けられています。温泉に入る時間がない場合でも、足湯なら散策の途中や電車の待ち時間に気軽に利用できます。

シーパルピア女川や地元市場ハマテラスを歩いた後に足を温めたり、列車を待ちながらひと休みしたりと、使い方はさまざまです。足湯を利用する際は、足を拭くためのタオルやハンカチを持参すると便利です。

物産コーナーや休憩所も充実

ゆぽっぽの1階には物産コーナーがあり、女川に関連する商品や土産物を購入できます。旅の思い出となる品を探したり、地元ならではの商品を持ち帰ったりするのにも便利です。

また、休憩所にはテーブル席やカウンター席が設けられ、温泉の後にゆったり過ごせます。窓から見える女川の海や山と、壁面を彩る「家族樹」を眺めながら、旅の疲れを癒すことができます。

家族風呂などを備えた多目的な施設

館内には浴場や休憩所のほか、家族風呂(介護風呂)、ギャラリー、交流スペース、展望デッキ、公衆トイレなども整備されています。温泉だけを目的に訪れるだけでなく、駅の待ち時間や観光途中の休憩場所としても利用しやすい施設です。

震災後の女川の歩みを感じる場所

女川駅と女川温泉ゆぽっぽを訪れると、現在の美しい駅舎や整備された市街地だけでなく、東日本大震災からの復興を経て生まれた新しい女川の姿を感じることができます。駅から海へ向かって延びるレンガみちやシーパルピア女川、地元市場ハマテラスなどは、日常の暮らしと観光が自然につながるように整備されています。

周辺には東日本大震災遺構・旧女川交番など、震災の記憶を伝える場所もあります。新しい駅舎や商業エリアと、震災の記憶を残す遺構をあわせて歩くことで、女川の過去と現在、そして未来への歩みを考えるきっかけにもなるでしょう。

女川観光のスタート地点として訪れたい駅

女川駅・女川温泉ゆぽっぽは、鉄道駅、温泉、アート、展望、買い物、休憩など、さまざまな楽しみが一つに集まった女川観光の拠点です。白い大屋根を見上げながら駅を出れば、海へ向かってレンガみちが続き、その先にはシーパルピア女川や地元市場ハマテラスがあります。

新鮮な海の幸を味わったり、商店街で買い物を楽しんだり、女川湾を眺めたり、最後に温泉でゆっくり体を休めたりと、駅を中心にした徒歩観光にもぴったりです。復興によって生まれ変わった女川のまちを歩き、海と温泉、グルメ、アートを一度に楽しめる場所として、女川を訪れた際にはぜひ立ち寄りたいスポットです。

アクセス

JR石巻線・女川駅から徒歩すぐ。駅そのものが観光施設への入口となっており、シーパルピア女川や地元市場ハマテラスなどの周辺施設へも歩いて移動できます。女川のまち歩きを楽しむ際の起点として利用すると便利です。

Information

名称
女川駅・女川温泉ゆぽっぽ
(おながわえき おながわ おんせん)

気仙沼・石巻

宮城県