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御釜

(おかま)

蔵王連峰の神秘的な火口湖

宮城県と山形県の県境にある蔵王連峰の中央部に位置する火口湖でで、五色沼(ごしきぬま)とも呼ばれます。蔵王連峰の中央部の最も標高の高いエリアにあり、蔵王連峰の象徴として知られています。

周囲をぐるりと囲む外輪山と中央火口丘によって形成された地形は、まさに水を入れた釜を思わせます。火山活動によって湖水の水温が度々上昇することがあり、御釜の名称の由来はこの地形や水温の変化に由来する可能性があります。

形成

蔵王の火山活動は約100万年前に始まり、少なくとも70万年前には活動が確認されています。御釜は約3万年前の山体崩壊によって形成されたカルデラ内にある中央火口丘の西側中腹に位置する爆裂火口に水が溜まってできた火口湖です。

御釜は活火山であり、現在も湖底から火山ガスが噴出しています。火山活動の影響で、御釜の水の色は変化します。火山活動がない時期は澄んだ瑠璃色ですが、火山活動があると湖底の沈殿物が舞い上がって攪拌されるため白濁し、さらに酸性度の変化により湖水の鉄分が酸化して赤みを帯びたり、硫化鉄が生成されて黒っぽく見えたりします。

火口湖

外輪山の尾根は北側の「ロバの耳岩」から西側の「馬の背」、南側の「刈田岳」へとラテン文字の「C」あるいは馬蹄形になっています。内側には標高1674メートルの「五色岳」という中央火口丘があり、この西側中腹に直径約400メートルの爆裂火口があります。火口の底に水が溜まってできた火口湖が「御釜」です。

1968年の調査によると、御釜の湖岸線は1080メートル、直径325メートル、水深は最大27.6メートル、平均17.8メートルです。火口湖の最大水深は時期によって変動し、火山活動の影響を受けます。御釜の水質は強酸性(pH3.5)で、生物は生息していません。

7月頃までの残雪の融水が流れ込みますが、それ以外は降雨以外の水の流入はありません。御釜の湖水は水面下で濁川へ流出していると考えられています。濁川は宮城県内を流れ、阿武隈川を経て太平洋に注ぎます。御釜の水位は季節や降雨の影響で変動します。

火山活動により、御釜の水の色は変化します。活動がない時期は澄んだ瑠璃色ですが、活動があると白っぽく濁り、酸性度の変化で赤みを帯びることもあります。このため、御釜の色彩は微妙に変化します。

蔵王は1918年に噴火し、御釜に噴気が発生しました。1939年頃には御釜の水温の上昇が見られ、現在も湖底に火山ガスの噴出が続いています。

交通

御釜へは宮城県、山形県両方からアクセスできます。蔵王連峰には蔵王エコーラインが東西に走り、この途中から分岐する蔵王ハイラインの終点駐車場から遊歩道を使って御釜を見下ろせる場所に行けます。また、刈田リフトや登山道を利用して御釜を眺めることもできます。

自家用車でのアクセスには、宮城県側からは村田インターチェンジ、宮城川崎インターチェンジ、山形県側からは山形蔵王インターチェンジ、山形上山インターチェンジが最寄りです。公共交通機関では、白石蔵王駅発着のバスや山形駅発着のバスがありますが、冬期間は運行していません。

蔵王エコーラインは冬季に閉鎖されるため、冬季に御釜へ行くには冬山登山が必要です。

Information

名称
御釜
(おかま)
リンク
公式サイト
住所
宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉倉石岳国有林内
電話番号
0224-84-2111
駐車場
200台
アクセス

東北本線白石駅からバスで100分

山形自動車道宮城川崎ICから車で40分

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