創建と歴史
社伝によれば、竹駒神社の創建は平安時代、承和9年(842年)にさかのぼります。当時、陸奥国司として赴任した小野篁が京都の伏見稲荷を勧請し、この地に社を建立したと伝えられています。後冷泉天皇の御代には、歌人・能因が竹駒神社の神霊を童の姿で見たという逸話も残り、その後、この地に庵を結んだことが別当寺「竹駒寺」の起源とされています。
戦国時代には衰退の時期もありましたが、伊達稙宗が社地を寄進するなど、伊達家の厚い庇護を受け再び発展しました。文化4年(1807年)には正一位の神階を授かるなど、格式ある神社としての地位を確立しました。
祭神とご利益
竹駒神社では、倉稲魂神(うかのみたまのかみ)を主祭神に、保食神(うけもちのかみ)、稚産霊神(わくむすびのかみ)を相殿に祀っています。この三柱を総称して「竹駒稲荷大神」と呼び、衣食住という人々の生活の基盤を守護する神々として厚く信仰されています。
立地と交通の要衝
神社は仙台平野南部、阿武隈川左岸に位置し、古代から交通の要所でした。東山道と東海道という二つの主要幹線が合流する地点にあたり、畿内と東北を結ぶ重要な拠点として、古代の政権や奥州藤原氏、伊達氏といった支配者に重視されてきました。
文化財と見どころ
向唐門
境内の象徴的存在である向唐門(むかいからもん)は、天保13年(1842年)に建立された総欅造りの四脚門で、屋根は向唐破風形式。宮城県有形文化財にも指定され、神社創建千年を記念する建造物として知られます。
随神門
参道を進むと現れる随神門は文化9年(1812年)の建立で、内部には随神像と神狐像が安置されています。岩沼市有形文化財にも指定され、歴史の重みを感じさせます。
社殿
現在の社殿は平成6年(1994年)に再建されたものです。かつては伊達吉村が1710年に造営した社殿が存在しましたが、平成2年の放火事件で焼失しました。本殿は三間社流造で、拝殿・幣殿とともに荘厳な造りとなっています。
境内社
境内には北野神社、秋葉神社、出雲神社、総社宮、八幡神社、愛宕神社、宇賀神社など、由緒ある末社が数多く鎮座しています。それぞれに異なるご利益があり、参拝者は順に参ることで多くの御神徳をいただけます。
祭事と行事
初詣
毎年1月には東北地方有数の参拝客が訪れます。境内は露店や参拝者で賑わい、新年の無事と繁栄を願う人々で活気に満ちます。
初午大祭
3月には竹駒神社最大の祭りである初午大祭が開催されます。特に注目なのが「竹駒奴(たけこまやっこ)」による毛槍の投げ受けの妙技。岩沼市指定文化財にもなっており、勇壮かつ華やかな行列が市街地を練り歩きます。
訪れる魅力
竹駒神社は、その荘厳な建築や歴史的背景だけでなく、四季折々の美しさや地域に根差した行事を通じて、訪れる人々に深い感動を与えます。信仰の場としてだけでなく、文化と歴史を感じる観光地としても魅力的な場所です。
古より人々の暮らしを見守ってきた竹駒神社は、今もなお多くの参拝者を迎え入れ、岩沼の地に息づく伝統を未来へと繋いでいます。