宮城県 » 鳴子温泉・栗駒

箟峯寺

(こんぽうじ)

箟峯寺は、宮城県遠田郡涌谷町にある天台宗の歴史ある寺院で、山号を無夷山(むいさん)といいます。 本尊は十一面観世音菩薩で、古くから箟岳観音(ののだけかんのん)の名で広く信仰を集めています。 この寺院は標高236メートルの箟岳山(ののだけやま)山頂に位置し、奥州三十三観音霊場の第九番札所として知られるとともに、 奥州七観音の一つにも数えられる由緒正しいお寺です。

箟峯寺は、古来より殺生禁断・女人禁制の聖地として尊ばれ、参拝者は大門をくぐると罪人でさえ捕らえられなかったと伝えられています。 そのため、古代から近世にかけて、この地は精神的な安らぎと祈りの場として、東北地方を代表する信仰の中心地でした。

箟峯寺の概要と特徴

寺の創建は非常に古く、伝承によると大同2年(807年)、坂上田村麻呂が建立したとされています。 当初は霧岳山正福寺と称していましたが、嘉祥2年(849年)に名僧円仁(慈覚大師)が中興し、 現在の無夷山箟峯寺へと改称されました。 箟峯寺は平安時代以降、奥州鎮護の祈願所として歴代の領主や為政者から庇護を受け、長きにわたり東北地方の信仰を支えてきました。

本尊と札所としての役割

本尊である十一面観世音菩薩は秘仏とされ、33年に一度だけご開帳されます。 直近では平成20年(2008年)に御開帳が行われ、次回は2041年(平成53年)に予定されています。 奥州三十三観音霊場の第九番札所であり、多くの巡礼者が訪れるこの寺は、今もなお観音信仰の中心的存在です。

箟峯寺の歴史

観音堂の特徴

箟峯寺の観音堂は、江戸時代末期に再建された建造物で、2019年(平成31年)に宮城県の有形文化財に指定されています。 堂の大きさは実長14.9メートルの方形平面に、宝形造の屋根を架し、前面には三間の唐破風向拝を備えています。 内部は内陣を中心に外陣が取り囲む構造で、内陣奥には宮殿型厨子が配置されています。 その堂々とした佇まいは、県内最大級の規模を誇る仏堂として、多くの参拝者を圧倒します。

箟岳山の自然と景観

箟峯寺がある箟岳山は、標高236メートルの山で、仙北平野を一望できる絶景スポットです。 山頂付近まで車道が整備されており、アクセスも容易で、山頂からは遠く岩手県の山並みや牡鹿半島、さらには金華山まで見渡すことができます。 特に秋の紅葉シーズンには山全体が赤や黄色に染まり、訪れる人々を魅了します。

自然との共生

4月上旬から中旬にかけては、境内や周辺に自生するカタクリの花が見頃を迎え、淡い紫色の花々が春の訪れを告げます。 また、11月から12月にかけては、箟岳山一帯が美しい紅葉に彩られ、紅葉狩りを楽しむ観光客で賑わいます。

箟峯寺で行われる年間行事

箟峯寺では、年間を通じて多くの伝統行事や祭礼が執り行われています。 その中でも特に有名なものをいくつかご紹介します。

白山祭と御弓神事(1月)

毎年1月には、宮城県の重要無形文化財に指定されている白山祭が開催されます。 この祭りの中で行われる御弓神事(おゆみしんじ)では、稚児が弓を射てその年の天候や作柄を占います。 古式ゆかしい神事は、地域に春を告げる風物詩として多くの参拝者を集めています。

採燈大護摩供(7月)

7月には、箟峯寺一山の僧侶総出で行う採燈大護摩供(さいとうおおごまく)が開催されます。 石仏広場で炎を焚き上げ、除災・招福・諸願成就を祈願するこの儀式は、迫力と神秘に満ちています。

春と秋の自然イベント

春のカタクリ群生、そして秋の紅葉ライトアップなど、箟峯寺の四季は訪れるたびに新しい魅力を見せてくれます。

仁王門と「微笑み仁王」

観音堂の手前にそびえる仁王門には、表情豊かな仁王像が安置されています。 その穏やかで優しげな表情から、「微笑み仁王」と呼ばれ、訪れる人々の心を和ませています。

アクセス情報

まとめ

箟峯寺は、東北有数の信仰と自然の聖地です。1300年以上の歴史を誇るこの寺院は、 奥州三十三観音霊場の一つとして巡礼者を迎えるとともに、四季折々の自然美や文化財、伝統行事で人々を魅了しています。 歴史好き、自然愛好家、写真撮影を楽しむ方にとっても、訪れる価値のあるスポットです。 次の旅行先に、箟峯寺と箟岳山をぜひ加えてみてください。

Information

名称
箟峯寺
(こんぽうじ)

鳴子温泉・栗駒

宮城県