伊達氏の11代当主の伊達持宗が1441年に建てた菩提寺で、回遊式の日本庭園が美しいと評判です。特に6月から7月にかけては、池の周りにアヤメの花が咲き誇ります。
禅庭園
聳え立つ三重塔がフォトジェニックな輪王寺禅庭園は、東北有数の名園として知られています。春から夏にかけてはサクラ・アヤメ・アジサイ・蓮などの花々が、秋は華やかな紅葉が、冬は雪吊りに囲われた松の木が、庭園の美しさを際立たせます。四季折々の自然の変化が趣深く、私たちの心に深い安らぎを与えてくれます。
三重塔
三重塔には、「釈迦如来坐像」が祀られており、毎月1日と15日に御開帳となります。自然石を使用し建立された高さ7.8メートルの五重塔には、戦死者慰霊のため般若心経2600巻が埋蔵されています。
坐禅
坐禅堂があり、定例の坐禅会や接心坐禅会などが開かれ、一般の人々も参加することができます。曹洞宗における坐禅は「只管打坐」(ただひたすらに座ること)です。何事にもとらわれることなく、身と心をひとつに坐ってみてください。
沿革
輪王寺は、伊達氏11代の伊達持宗によって1441年に創建され、その後、伊達家の居城の遷移に伴い、場所を転々としました。
江戸時代には仙台藩の初代藩主・伊達政宗による仙台開府後、1602年に現在の場所に移りました。
伊達家の後援のもと、奥州で曹洞宗の一大叢林として栄え、三百年以上にわたって「海東禅窟」として知られました。
明治維新後、輪王寺は伊達家の支援を失い、1876年には野火により仁王門を残し七堂伽藍を全焼しまし、荒廃しました。
しかし、1903年に永平寺と總持寺の支援によって再建されました。無外和尚や五峰和尚によって伽藍の復興と庭園の整備が進められ、現在の本堂や庫裡、茶室「半杓庵」などが建てられ、庭園は東北有数の名園となりました。
さらに、1981年には三重塔が建てられ、昔日の風景が復元されました。2004年には都市計画道路工事に伴い参道の杉並木が伐採されましたが、新たな参道を作るために植樹を行い、参道が完成しました。境内には3万本以上の樹木が植えられ、土地本来の森が育まれています。
寺名
輪王寺という寺名は複数存在し、金輪王寺の略称です。南北朝時代に後醍醐天皇が吉野に拠点を置いた際、金峯山寺子院の実城寺を行宮とし、金輪王寺と改称しました。
徳川家康はこの名前を使用し、上野寛永寺と日光満願寺を兼任する天台宗の門跡名としました。仙台の輪王寺は、仙台藩伊達家と関係が深い曹洞宗の寺院です。
8:00~17:00
年中無休
拝観料 300円(小学生未満無料)
JR仙台駅よりタクシー約15分
JR仙台駅西口バスプールから仙台市営バスで17分、輪王寺前下車、徒歩5分
仙台市営地下鉄南北線北仙台駅より徒歩約15分