仙台茄子は、伊達藩の時代から作られてきた、400年の歴史を持つともいわれる東北の気候にあった早生品種。
紫紺長茄子とも呼ばれる小ぶりの茄子で、先の尖ったスリムな形状で、早生のため色つやが良く、皮も薄いので、漬物用にピッタリ。独特のほのかな苦みと風味が特徴です。茄子の皮にはポリフェノールが多く含まれている。
「仙台長茄子漬け」は宮城県仙台の漬物で、すんなりとした細長い茄子を塩漬けや醤油漬けにしたもの。柔らかく上品な味わいで、温かいご飯はもちろんこと、酒の肴やお茶請けなどに食されている。
仙台長なす
統野菜の歴史は400年以上も続いています。その始まりは、1593年に仙台藩が朝鮮出兵から戻る際に、博多からなすの種を持ち帰り、領内で栽培したことに始まります。
享保4年(1719年)には、仙台藩の地誌に「広瀬川下流のものを上質とす」という記述があり、「仙台長なす」が長い間、仙台周辺で大切に栽培されてきた歴史がうかがえます。
日本全国には地域ごとに個性的ななすがありますが、「仙台長なす」もその中の一つです。仙台の気候と風土に育まれた「仙台長なす」は、紫紺色でつややかな果肉を持ち、小ぶりながらも風味豊かな形状をしています。長い年月をかけて、漬物に適した伝統野菜として発展してきたのです。
ただし、「仙台長なす」は非常にデリケートな野菜でもあります。薄い皮が特徴的な「仙台長なす」は漬物に向いていますが、同時に傷つきもしやすいため、収穫と漬け込みのスピードが重要です。
他の仙台の伝統野菜と同様に、スーパーマーケットなどではあまり見かけることがないのは、生産農家が少なく、傷つきやすいからです。