開館までの歩み
平成20年代初頭、仙台市において新たな水族館建設計画が持ち上がりました。当初はマリンピア松島水族館の移転案として進められましたが、資金面の問題から一度は計画が白紙となります。
その後、2011年の東日本大震災を契機に復興の象徴として再び構想が動き出し、2013年には三井物産、横浜八景島、地元企業であるカメイやユアテック、河北新報社、仙台三越の6社が共同出資して仙台水族館開発株式会社を設立。仙台港近くの高砂中央公園に建設が決定し、2014年に「仙台うみの杜水族館」という正式名称が発表されました。
開館と人気の広がり
2015年5月、長い歴史を持つマリンピア松島水族館が閉館し、飼育員や多くの生物が仙台うみの杜水族館へ移動しました。同年7月1日の開館後わずか1か月で約22万人が来館し、同年11月には累計入館者数が100万人を突破。その後も東北観光の人気スポットとして成長を続け、2019年には延べ500万人を超える来館者を迎えました。
館内の見どころ
「日本のうみ」ゾーン
三陸地方の豊かな海を再現したこのゾーンでは、干潟や深海の生物、希少な生き物たちが展示されています。中でも注目は、幅13m・高さ6.5m・水量990トンを誇る大水槽「いのちきらめくうみ」。屋根のない自然光が降り注ぐ中、50種類・約2万5千匹の生物が泳ぐ姿は圧巻です。
「世界のうみ」ゾーン
世界各地の海や川に生息する生物が集まるエリアです。バイカルアザラシやチョウザメ、アオウミガメ、愛らしいチンアナゴなど、多彩な生き物たちが訪れる人々を迎えます。
「うみの杜ビーチ」
南アフリカ・ボルダーズビーチをモデルにした屋外展示で、ケープペンギンをはじめ、オウサマペンギンやジェンツーペンギンなど5種類のペンギンたちがのびのび暮らしています。
うみの杜スタジアム
約1000人を収容できるショープールでは、イルカやアシカ、鳥たちによるダイナミックなパフォーマンスが行われます。仕切りのないステージは臨場感満点で、時には水しぶきが観客席まで届くことも。
海獣ひろば
半屋外スペースの「海獣ひろば」では、オタリアやフンボルトペンギンが自由に行き来する様子を間近で観察できます。
挑戦と記録 ― ヨシキリザメ飼育
仙台うみの杜水族館は、三陸の代表的な魚であるヨシキリザメの長期飼育に挑戦し、2020年には873日という国内最長記録を樹立しました。この挑戦は、海洋生態系の理解や飼育技術の向上にもつながっています。
施設情報
建物と設備
延床面積は約9,989㎡、2階建て構造の館内には約100基の水槽があります。建物は緊急避難施設としても利用可能で、最大1,500人を収容できます。レストランやミュージアムショップも完備され、1日を通して楽しめる施設です。
アクセス
公共交通機関
- JR仙石線「中野栄駅」から徒歩約17分
- JR仙石線「陸前高砂駅」から徒歩約21分
- 中野栄駅からシャトルバス運行(有料・土休日運行)
自動車利用
仙台東部道路「仙台港IC」に隣接。約800台収容可能な駐車場があります。
営業時間と料金
- 通常:9:00〜18:00(季節により変動あり)
- 大人:2,400円
- シニア(65歳以上):1,800円
- 中高生:1,700円
- 小学生:1,200円
- 幼児(4歳以上):700円
- 年間パスポート:入場料の約2倍
訪れる価値
仙台うみの杜水族館は、単なる観光施設ではなく、東日本大震災からの復興の象徴であり、地域と海をつなぐ文化拠点です。三陸の豊かな海を体感し、世界の海の多様性を学び、そして生き物たちとの出会いに心躍らせることができる、まさに「海と人の杜」です。