収蔵品と代表的な展示
収蔵品は約9万7,000点に及び、そのうちおよそ1,000点が常時展示されています。特に伊達政宗や仙台藩に関する資料、慶長遣欧使節にまつわる品々が豊富です。
話題を呼んだ展示物
中でも有名なのが、伊達政宗が着用した黒漆五枚胴具足です。この甲冑は、映画『スター・ウォーズ』のキャラクター「ダース・ベイダー」のデザインの参考にされたと言われています。制作時には、アメリカのスタッフから直接問い合わせを受けた仙台市博物館が、参考資料を提供したという逸話も残っています。
また、幅8メートルにも及ぶ巨大な『奥州仙台領絵図』は、迫力満点のスケールで来館者の目を引きます。
国宝・重要文化財
国宝として有名なのが、「支倉常長のローマ市公民権証書」や慶長遣欧使節関係資料です。これらは2013年(平成25年)にユネスコの「世界の記憶」にも登録されました。その他、伊予札白糸威胴丸具足や、伊達家文書など、歴史的価値の高い品々が数多く保管されています。
館内施設とサービス
現在の建物は1986年に竣工し、鉄骨鉄筋コンクリート造で敷地面積は約2万平方メートル。館内には展示室のほか、レストランやミュージアムショップもあり、観光の合間にゆったりと過ごせます。特にショップでは、伊達政宗をモチーフにしたグッズや仙台の伝統工芸品が人気です。
また、児童向けの「プレイミュージアム」では、子ども用の鎧の試着や和楽器体験ができ、家族連れにも好評です。屋外には魯迅像や林子平のレリーフ、阿部次郎の碑などが設置され、歴史的人物とのゆかりを感じられます。
観光地としての魅力
仙台市博物館は、仙台城跡の三の丸に位置しており、周辺には五色沼や仙台国際センターなどの観光スポットがあります。青葉山公園の自然と一体化した立地は、四季折々の風景が美しく、桜や紅葉の季節には多くの観光客で賑わいます。
さらに、観光バス「るーぷる仙台」が博物館前に停車するため、仙台駅からのアクセスも良好。国際センター駅からも徒歩8分と、観光ルートに組み込みやすい場所です。
2007年には、フランスの旅行ガイド「ミシュラン・ボワイヤジェ・プラティック・ジャポン」で二つ星評価を獲得し、国際的にも高い評価を受けています。
開館の経緯と沿革
仙台市博物館の起源は、1951年(昭和26年)に遡ります。この年、かつて仙台藩主であった伊達家が所有していた土地を仙台市に有償譲渡し、一部を寄付しました。さらに、伊達家が所蔵していた約8,000点もの文化財が仙台市に寄贈され、これらを保存・展示するための博物館建設が市の課題となりました。
1958年(昭和33年)には「仙台市博物館並びに美術館設立促進連盟」が結成され、市民の署名活動が行われました。その後、1959年(昭和34年)、当時の仙台市長・島野武氏が市制70周年記念事業として、市営プールと博物館の建設を表明します。そして1960年(昭和35年)、仙台城三の丸跡で建設工事が始まり、1961年(昭和36年)に開館しました。
開館後10年の間に3度の増築が行われ、総床面積は当初の約2.7倍に拡張されました。その後、仙台市天文台や仙台市科学館が開設されたことで、博物館の方向性は人文科学系に特化していきます。1975年(昭和50年)には国宝や重要文化財を公開できる施設としての承認を得、1986年(昭和61年)には大規模改築を経て現在の建物で再開館しました。
まとめ
仙台市博物館は、伊達家や仙台藩の歴史、そして国際交流の足跡をたどる貴重な場所です。展示物の質・量ともに充実しており、観光客はもちろん、地元の人々にも愛され続けています。歴史や文化に興味のある方は、ぜひ一度足を運び、仙台の奥深い魅力に触れてみてはいかがでしょうか。