燕口に例えられる先のとがったスリムな姿と、皮が薄く果肉がしまり、ほのかな苦みのある独特の風味が特徴。
伊達藩の時代から作られ、400年の歴史を持つともいわれる東北の気候に合った早生品種。紫紺長茄子とも呼ばれる、10~12センチの小ぶりの細長いナスである。
仙台と、仙台と緯度の近い中国・東北部の一地区でしかうまく栽培できないとも言われている。旬は8月から10月で、漬物用として最適な品種とされている。仙台長なす漬は、郷土の伝統特産品。
旬 5月 6月 7月 8月 9月 10月
仙台長なす
統野菜の歴史は400年以上も続いています。その始まりは、1593年に仙台藩が朝鮮出兵から戻る際に、博多からなすの種を持ち帰り、領内で栽培したことに始まります。
享保4年(1719年)には、仙台藩の地誌に「広瀬川下流のものを上質とす」という記述があり、「仙台長なす」が長い間、仙台周辺で大切に栽培されてきた歴史がうかがえます。
日本全国には地域ごとに個性的ななすがありますが、「仙台長なす」もその中の一つです。仙台の気候と風土に育まれた「仙台長なす」は、紫紺色でつややかな果肉を持ち、小ぶりながらも風味豊かな形状をしています。長い年月をかけて、漬物に適した伝統野菜として発展してきたのです。
ただし、「仙台長なす」は非常にデリケートな野菜でもあります。薄い皮が特徴的な「仙台長なす」は漬物に向いていますが、同時に傷つきもしやすいため、収穫と漬け込みのスピードが重要です。
他の仙台の伝統野菜と同様に、スーパーマーケットなどではあまり見かけることがないのは、生産農家が少なく、傷つきやすいからです。