歴史的背景
寺の発展のきっかけは、振姫が孝勝寺に深く帰依したことにあります。慶安2年(1649年)の火災で伽藍が焼失しましたが、忠宗公の命により大規模に再建されました。その後、万治2年(1659年)に振姫が亡くなり、この寺に葬られた際、三代藩主・伊達綱宗公が寺号を「孝勝寺」に改めました。
さらに、綱宗公の側室であり、四代藩主・綱村公の生母である三沢初子(みさわはつこ)も深く帰依し、寛文元年(1661年)には寺の拡張と500石の寺領が与えられました。初子は歌舞伎『伽羅先代萩』の登場人物「政岡」のモデルとされ、その墓は「政岡の墓」として知られています。
見どころ
山門
孝勝寺の山門は、嘉永年間に仙台城から移築されたものと伝えられています。三間一戸の切妻造で本瓦葺、棟の両端には立派な鯱(しゃち)が飾られています。仙台城ゆかりの現存建築物として、非常に貴重な存在です。
釈迦堂
元禄8年(1695年)、四代藩主・伊達綱村公が母・三沢初子の冥福を祈るため榴ヶ岡に建立した持仏堂が釈迦堂です。昭和48年に現在の孝勝寺境内へ移設され、宝形造の三間四方の仏堂として、内陣奥の厨子には釈迦如来像が安置されています。現在、仙台市登録有形文化財に指定されています。
五重塔
平成15年(2003年)に建立された五重塔は、高さ31.9メートルを誇ります。四季折々の景観と調和し、参拝者に荘厳な印象を与える美しい建築物です。
文化財と展示
境内には、振姫や三沢初子の墓所があり、伊達家ゆかりの人物たちの歴史を感じられます。また、江戸時代には僧侶百余人を擁し、多数の末寺・子院を有していました。現在も妙音院、法輪院、蓮香院の3つが隣接して存在しています。
年表(主な出来事)
・永仁3年(1295年) - 日門が大仙寺を創建
・慶安2年(1649年) - 火災で焼失、忠宗公により再建
・万治2年(1659年) - 振姫没、寺号を孝勝寺に改称
・元禄8年(1695年) - 綱村公が釈迦堂を建立
・昭和48年(1973年) - 釈迦堂を境内へ移設
・平成15年(2003年) - 五重塔建立
・令和5年(2023年) - 釈迦堂の復元工事完了
アクセス情報
・JR仙石線「榴ケ岡駅」から裏門(東門)まで徒歩4分
・仙台市地下鉄東西線「宮城野通駅」から表門(西門)まで徒歩4分
・JR仙台駅東口から表門(西門)まで徒歩8分
まとめ
孝勝寺は、東北唯一の日蓮宗本山として、伊達家との深いつながりと豊かな歴史を誇る寺院です。歴史的価値の高い山門や釈迦堂、五重塔といった建造物、そして藩主やその家族の物語が息づく墓所など、見どころが豊富です。静かな境内を歩けば、江戸時代から続く仙台の歴史と文化を肌で感じることができるでしょう。